詩が出来ました

詩が出来ました

 2年ぶりに詩が出来ました。この2年間、どんなに頑張っても出来るのは短歌や俳句ばかりで、肝心の詩からは見放されていました。それが、詩が出来たんです。

 久しぶりに谷川俊太郎さんの詩集を買って読んでたら、ふと詩想が浮かんで、自分でも驚くくらいスムースに詩が出来ました。大した出来ではありませんが、『出来た』ことが僕にとっては大きな喜びでした。

 読んでいただけますか?

 

    詩人になる

 

 上田君は詩人になるから、何を食べてもいいんだよね

 私は声楽家になるから、のどに悪いものは食べちゃだめなの

 高校時代の昼休み、あなたは僕の弁当を覗き込みながらそう言った

 

 ジャムパンを食べながらあなたはつぶやく

 お醤油がダメ、ソースもダメ、香辛料もダメ

 美味しい物はみんなダメなの

 

 「詩人になる」と豪語してはばからなかった僕は

 自分は詩人になるために何をしているんだろうかと

 胸の中を見透かされたような思いだった

 

 それから二十年

 あなたは僕の勤める中学校へ

 声楽家としてやってきた

 

 一介の中学校教師になって

 「詩」の一編も作らなくなっていた僕には

 夢をかなえたあなたは輝いて見えた

 

 僕はあなたの鞄を持って校門まで行き

 あなたを見送った

 とても複雑な気持ちで

 

 あれから三十年の年月は流れ

 僕は今でも詩を作っている

 全然有名でもないし、売れてもいないけれど

 

 きっと君は

 今でもジャムパンを食べてるに違いないね

 

 この詩が出来たおかげで、「僕は今でも詩を作っている」って言えるんですよ。ついでに付け足しすると、この詩の後、週一のペースで作詩できるようになりました。正に、『谷川俊太郎、偉大なり!』です。

 中学生のとき、高村光太郎の『智恵子抄』に感動して詩を作り始め、高校生時代は、佐藤春夫、中原中也、室生犀星を読み漁り、大学に入って詩を作らなくなった。そのまま教員になり、かつてのジャムパンの娘さんが言葉通りに声楽家になっているのに感化され、青春のたぎる思いをよみがえらせ、また詩を書くようになった。

 何度も中断の時期を経て、今また詩が書けるようになった。今度書けなくなったら、次はだれが僕を感化してくれるかな?

 

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