今さら『君の名は。』を観る

 新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

さて、昨年の映画で一番話題になった作品と言えば、言わずと知れた新海誠監督『君の名は。』でしょう。興行収入200億円を突破、邦画の歴代興行収入第2位を記録し、アニメの枠を超えて広い世代に支持されたこの映画ですが、実を言うと、まだ私は『君の名は。』を観たことがありませんでした。あちこちで話題になっていることはもちろん知っており、機会があれば観てみたいなあと思っていたのですが、上映されている映画館が近くになかったこともあり、これまで一度も観る機会に恵まれず2016年が終わろうとしていました。そんな年末も押しせまった頃、ちょうど松任へ買い物に行く機会があり、せっかくなので帰りに少し足を延ばして御経塚のイオンシネマまで『君の名は。』を観に行こうと思い立ったのでした。

 早速チケットを買い席に着くと、封切られてから何か月も経っているのにまだ客席の半分以上にお客さんが入っており、この映画の根強い人気がうかがえます。

 ストーリーのおおまかなところを説明すると、東京に住む男子高校生『瀧(たき)』と田舎に住む女子高校生『三葉(みつは)』が夢の中で中身が入れ替わるというSFラブストーリーなのですが、コミカルな前半とは打って変わって後半は壮大な物語とシリアスな展開が観る者の心を打つ作品です。

 で、観終った感想ですが、「非常に上手に作ってあるなあ。」というのが率直な感想でした。この映画の『男女の中身が入れ替わる』という設定自体は、特に目新しいものではありません。小説や漫画などでもよく使われており、映画の例を挙げると大林宣彦監督『転校生』などが有名です。しかし、いわゆるありがちな設定を使いながらも、観る者を惹きつけ、多くの人を映画館に足を運ばせ、これだけのブームメントを生み出したのは、まさしく監督の非凡な手腕だと言えるでしょう。例えるなら、ありきたりな材料を使いながらお客を感動させる一流シェフの料理のようなもので、逆を言えば、珍しく高価な材料を大量に使っているのに食べるに値しない料理、というものも多いという事です。

 また、映像美もこの作品の魅力の一つでしょう。東京の人と車でごった返したビル群と、飛騨ののどかで自然豊かな風景のコントラストが印象的で、どちらも日本という国の一側面うまく表現しており、その二面性を作品世界に巧みに落とし込んでいると思います。

 最後につけ加えるなら、この『君の名は。』という作品は、非常に後味の良い作品です。私は小説でも漫画でも映画でも、後味の良さを一番大事にしており、たとえどんなに途中が面白い作品でも、結末でモヤモヤしたり、気分が悪くなるような作品はエンターテイメントとして失格だと思っています。ネタバレになるので詳しくは書けませんが、この『君の名は。』のラストはいわゆる大団円で、気分よく観終れる作品に仕上がっています。

 

 おそらく日本の映画史に残るであろう『君の名は。』。まだ観ていない方は、この機会にぜひスクリーンで日本中と感動を共有してください。

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