『アートたけし展』に行く

　親戚から前売り券を安く購入できたので、お盆休みを利用して、現在金沢の２１世紀美術館で開催されている『アートたけし展』に行ってきました。

　『アートたけし展』は、お笑い芸人の『ビートたけし』氏が描いた絵画、版画などのアート作品を集めた展覧会です。最近の若い方などは、彼の名を聞くと映画監督や文化人のイメージが強いかもしれませんが、我々おじさん世代は『俺たちひょうきん族』、『風雲！たけし城』、『スーパージョッキー』などＴＶバラエティの第一線でバリバリ活躍していた彼の姿が今も脳裏に焼き付いています。

午後、香林坊の地下駐車場に車を停めて、歩いて２１世紀美術館まで行くと、お盆休みという事もあり館内はすでに人でいっぱいになっていました。

　人ごみをすり抜けて会場に入ると、まず目に飛び込んできたのが絵画を展示したスペースでした。たけし氏の絵画は、落書きのように自由なタッチと原色を多用したド派手な色彩が特徴です。一見すると子供の描いたものと区別がつかないくらい稚拙な絵に見えますが、間近でキャンバスに向かって見ると、くらくらめまいがしそうなくらいエネルギッシュです。

　絵画の放つギラギラとしたエネルギーにいくらか体力を消耗した気分になって、ふらっと足を運んだのが版画の展示スペースでした。こちらは絵画とは打って変わって色彩は落ち着いたモノトーンが使われており、直接筆で描いていないからなのか落書きのような荒削りなタッチもいくらかマイルドになって非常に見やすく洗練されていました。個人的には、絵画より版画の方が自分の好みに合い、また一般受けも良いのではないかと感じました。

　出口付近には、たけし氏のテレビ共演者の方たちからの応援メッセージが直筆の色紙で展示されていました。それらのメッセージを見て、私は彼の人柄と芸能界に残した実績の大きさがそこに表れていると感じました。

　最後にお土産として、安価ではありますが、彼の版画がプリントされたメモ帳とハンドタオルを購入しました。

　普段テレビで見ている方の作品を手に触れるような距離で見ることができたのは、なんとも不思議な感覚でしたが、他では得ることのできない非常に有意義な体験ができました。機会があれば、またこのような展覧会に行ってみたいです。