『ミステリーの女王』アガサ・クリスティ②

④オリエント急行殺人事件

 イスタンブール発カレー行きのオリエント急行に乗り、中東からの帰途についたポワロだったが、積雪により列車は立ち往生してしまう。翌朝、富豪のラチェットが寝室で全身をめった刺しにされて殺害されていた。列車という密室の中、乗り合わせた乗客は12人。しかし彼らには全員アリバイがあり、誰も容疑者にはなりえなかった――。数々の映画化、映像化がされた代表作。その結末の衝撃は今でも色あせることがありません。

⑤ナイルに死す

 エジプトに新婚旅行に出た大富豪の娘リネットとサイモンは、サイモンの元婚約者ジャクリーンにしつこく付きまとわれていた。逃げるようにナイル川の観光船に乗り込んだ二人だったが、そこにもジャクリーンの姿が。そしてある晩、展望室でジャクリーンがサイモンと口論になり、彼女はサイモンの脚をピストルで撃ってしまう。その事件の次の朝、リネットが部屋で射殺されているのが見つかった。凶器はジャクリーンのピストルらしいが、そのピストルは展望室から消えていた――。『そして誰もいなくなった』とならび、クリスティの最高傑作に挙げる人も多い名作。個人的にも中近東を舞台とした作品では、最高の出来だと思います。

⑥白昼の悪魔

 スマグラーズ島の浜辺で、元女優が何者かに殺害された。周囲の異性に魅力を振りまき、滞在客の一人と不倫をしていた彼女。犯人が滞在客の中にいることは間違いないが、全員に完璧なアリバイがあり捜査は難航する――。巧みな文章と切れ味鋭いトリックで、脂の乗り切ったクリスティの妙技を堪能できる名作。

⑦シタフォードの秘密

 雪に覆われたシタフォード村の山荘。そこに集まった隣人たちが、退屈しのぎに降霊会を試みた。現れた霊魂は、はるかふもとの村に住む老大佐の殺害を予言した。友人が駆けつけると、大佐は撲殺されており、しかも殺害時刻はまさに降霊会の最中だった――。オカルティシズムと絶妙なトリックの取り合わせが心地よい会心作。

⑧メソポタミヤの殺人

 考古学者と再婚したルイーズの元に、死んだはずの先夫から脅迫状が届いた。さらに彼女は寝室で奇怪な人物を目撃し、自分が誰かに殺されると怯えていた。しかし、それらは不可思議な殺人事件への序曲に過ぎなかった――。中近東を舞台にした作品のなかでも屈指の出来を誇る名作。

 以上8作品を簡単ではありますが、紹介させていただきました。

 クリスティの作品は、ハヤカワミステリ文庫からほぼすべてが発刊されているので、書店でも比較的簡単に入手できます。さらにそれらは文章が簡潔で非常に読みやすいので、読書初心者でも気軽に読めると思います。

 

K.K

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