息子も母も寛解に向かって

 8月21日に自家造血幹細胞移植を終えた息子は、今回のLEED療法の副作用が半端じゃないはずなのに、割りと元気です。

 23日(日}は、てりやきバーガーとポテトSとカーネルクリスピーを夕食にぺろりと平らげました。でも、看護師さんのおっしゃるには「目に見える副作用は大したことなくても、血液の値は明らかに免疫力が落ちていることを示しているので、感染症やカビに冒されないようマスク、うがい、腕の消毒を忘れないでください」ということです。それでも、本人に食欲があって、辛そうでないのは親にとって幸せです。熱もありません。

 主治医の先生の話では、「このまま発熱もせず、白血球も順調に増えてくれて、9月4日(金)に白血球が正常値になっていれば、退院ですね」とおっしゃってくれています。今度の退院は、これまでの1週間とか、10日とかではなく、昨年からの一連の治療の区切りとしての退院です。それ以後は、定期的に通院・検査をし、2年間再発が無かったら、一応治癒ということになります。

 ところがどっこい、そうは問屋が卸してはくれません。24日(月)発熱37.9℃。38.0℃が退院延長のガイドラインです。息子は解熱剤の点滴をしながら、「ちくしょ~。熱下がれ。寒ぃ~っ」とうめいています。しかし、医学の進歩はすごいですね。点滴が終わってしばらくすると、息子の熱は36.9℃まで下がっているではありませんか。バッファリンしか熱を下げるすべを知らぬ私たちにとっては画期的なことです。朝から熱があって朝、昼、夕食の全てを摂らずに下げられていた(感染症予防のため調理後1時間たった食事は下げられる)息子は「ラ王のしょう油が食べたい」と言いました。増殖幹細胞移植後の食べて良いモノリストの中に、『加熱調理後1時間以内の料理』に加えて『カップ麵』があったので、さっそく買ってきてやるとうまそうに食べていました。

 一方母は、白血病が血液のガンであることを知らずに、「病名が分かって良かった」「後、ちゃんと歩けるようになれば退院やね」などとのんきなことを言ってたのですが、21日(金)に主治医から血液のガンであることを知らされ、相当ショックを受けていて、22(土)、23(日)はちょっと沈んでいたのですが、24日(月)には立ち直ったようです。リハビリで、自分で歩いて5階の病棟を一回りし、食事も5分粥と味噌汁、嚥下食2品を平らげ、1カ月以上もつなぎっぱなしだったブドウ糖の点滴がとれました。主治医から、外出(外泊ではありませんが)の許可も出そうだという看護師さんの話で、近々主治医の先生から家族に話があるそうです。

 母には自分の病気をしっかり自覚して闘ってほしいと思い、ゆっくり病気の事や、これからの治療の目途を話しました。耳が悪いので、耳元で怒鳴りながら、紙とペンを使ってです。「これまで1カ月以上かかって行なってきた白血球の中のガン細胞を殺す治療で、あらかたのガン細胞は死んだが、残っているがん細胞を確実に殺すための治療が1回につき1カ月以上かかる治療をあと3回しなければならない」と言うと、「そうか。今年いっぱいは出られんのやねえ」とさびしそうに笑いました。「お正月はみんなで過ごせるといいね」と言うと、「ひろちゃんもがんばったんやから、私もがんばるわ」と自分に言い聞かせるように言っていました。でも、外出できそうだというのは、母にはまだ内緒です。後しばらく様子を見なければ、外出可能かも、いつ出来るのかもわからないのですから。

 こんなふうな様子で、山あり谷ありではありますが、息子も母も寛解に向けて確実に歩みを進めているようです。ありがとうございます。

『祖母と孫が共に血液のガンになり互いに気遣い療養に励む』           俊

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