私の趣味の一つに、古書店巡りがあります。ここで言う『古書店』とは、最近巷で増えているゲームやコミックスを品揃えの中心としたチェーン店、いわゆる『新古書店』ではなく、昔ながらの『町の古本屋さん』のことです。
本当に開店しているのか戸惑ってしまうような汚れた外観。薄暗い店内に充満している鼻を付く埃とカビの臭い。整理されているのかも怪しい無造作に積まれたボロボロの古書の束――。それらの全てが自分にとって妖しく魅力的で、一歩店内に足を踏み入れるやいなや、私の心は日常を忘れ、幻想的な『異世界』に連れて行かれるのです。
雰囲気を楽しんだら、今度はいよいよ古本漁り。これには自分の中にルールのようなものが存在します。まずお目当ての本がある場合はそれを一通り探し、なければ店内の本棚を改めてじっくり見て回ります。棚の奥に隠れている本や、棚に入りきらず床に高く積んである本などももれなくチェックします(実はこんな所にお宝が眠っている事が多いのです)。そして最後には必ず本を買って帰ります。あまり欲しいものが無かった場合でも、安くてもいいので何か一冊は見つけ出して買って帰ることにしています。それがお店に対する最低限の礼儀のような気がするからです。
しかし今、全国を席巻している『新古書店』に押され、昔ながらの『古書店』がどんどん無くなっています。私の場合も、いざ店を巡ろうと思っても金沢市内や隣県の福井市まで足を延ばさなければいけないのが現状です。また、インターネットが発達した現在では、古本を買うためだけならば通販やネットオークションを利用すれば事足りるのも事実です。それでも実際に古書店を巡り、宝物を掘り出すようなワクワク感を五感で味わうあの瞬間は、私にとってずっと変わらず特別なものなのです。
K.K
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粋夢 (火曜日, 21 4月 2015 17:28)
確かに昔ながらの「古書店」というのは金沢市内ぐらいにしか見当たりませんね。
僕が古本屋めぐりをしていた30年前は、住宅街の一角に突如として建っていたり
国道8号線沿いにあったりしたのですが、今ではなかなか見つかりません。
レンタルコミックやネットカフェの台頭で「新古本屋」自体が減りつつあります。
いつか、東京の「古書街」に行くのが夢ですね。
ドラミ (水曜日, 22 4月 2015)
わぁ~!なんだか憧れちゃいます!
KKさん、ドラマにでてきそうな主人公ですね^^