ペンネーム NAGAO
個人的に好きなバンド・理由・批判もしつつ、勝手に偏見交じりの紹介。
現在はユーチューブなどで簡単に試聴できるので、もしブログを読んで興味がわいてきたら是非聴いてみてほしい。
②『ブラック・サバス(Black Sabbath)』
ブラック・サバス(Black Sabbath)は、イギリスのロックバンド。
1968年バーミンガムで結成。
世界中のハードでヘヴィな音楽に影響を与え、敬愛され続けている。
ジャズやブルースを基調とし、イメージとしては「ホラー映画を音楽で作りたかった」とのこと。
その怪奇的なイメージは、黒魔術や悪魔とやたらと結び付けられる(インタヴュー映像や記事などを読むと、当人たちは結構知的で常識人な気がする。ただし、初代ボーカリストのオジー・オズボーンはやんちゃな奴。1979年には麻薬癖がひどく、問題児だったためクビになっている。)
最近、オジーに会いに行った"ふなっしー"をプールへ突き落して喜んでいた。
「ギタリストのトニー・アイオミがアメリカ・ツアーの最中、狂信者に楽屋で刃物を突きつけられたという危険なエピソードもある。」とか大げさに言われるが、この手のバンドにはよくある話である。
デビューアルバム『Black Sabbath』(邦題『黒い安息日』)は、1970年2月の"13日の金曜日"にリリースされた。
一般的にバンドを語るうえで、「黄金期」とかいう言葉をよく聞くが。
比較的「オリジナルメンバー」が黄金期と呼ばれることが多いように思う。
しかし、ブラック・サバスに関して言えばそうとも言い切れない。
ブラック・サバスは単純に考えて「4期」に分けられる。
歴代のボーカリスト4人の在籍していた時代それぞれに良さがあり、賛否両論はあるものの、どの時期をとっても甲乙つけがたい。
ボーカリストが代わるたび、ブラック・サバスのイメージを損なわず、ボーカルの個性に合わせ音楽性が変化していき、どの時代のサバスもいわゆる「名盤」を残している。
単純に分けて、以下の4期がそれにあたる。
◆第1期:オジー・オズボーン時代(1970~1979・1997・2013)
◆第2期:ロニー・ジェイムズ・ディオ時代(1979~1987・1992~1993・2006)
◆第3期:イアン・ギラン時代(1987)
◆第4期:トニー・マーティン時代(1987~1992・1994~1995)
厳密にいうと、デイヴ・ウォーカーやレイ・ギラン、デイヴィッド・ドナートやグレン・ヒューズなどといった名ボーカリストが在籍した時期もあったが、説明するとややこしくなるので、サバス初心者は知らなくてもいいと思う。
ベースやドラムもちょこちょこメンバーチェンジしているが、基本的には「ギーザー・バトラー(ベース)」と「ビル・ワード、ヴィニー・アピス(ドラム)」辺りがメインだと思っていればいい(個人的には、たまに加入していた「コージー・パウエル(ドラム)」のプレイが好きだが、あまりサバス向きのドラマーではないような気がする・・・?)。
そして、ギターに関しては「トニー・アイオミ」しか考えられない!
この男こそサバスの支柱であり、彼なしではサバスの存在自体成立しない。
その「トニー・アイオミ」が、サバス本来の怪奇的なイメージを失うことなく、どの時代にも適した音楽性を構築してきたメタルの化身である。
因みに、ブラック・サバスの影響力は、直系のハードロックやヘヴィメタルに留まらず、ハードコアやグランジ、メタル(スラッシュ、ブラック、デス、メロデス)、ドゥーム、ストーナーやスラッジといったジャンルにおいても、その源流として扱われることが多い。
というか、サバスが存在しなければ、「上記のジャンルは全て存在しなかった」と言いきってもよい!
【おまけ情報】
2007年にアルバム『悪魔の掟』の編成(ロニー・ジェームズ・ディオ、ヴィニー・アピス、ギーザー・バトラー、トニー・アイオミ)でツアーを行ったが、ブラック・サバス名義ではなく「ヘヴン・アンド・ヘル」(2007~2009)というバンド名で行われている。
2009年4月28日、このラインナップとしては17年ぶりとなる新作『ザ・デヴィル・ユー・ノウ』を発売。
2010年にロニー・ジェイムズ・ディオが死去し、活動を停止した・・・
私はディオの大ファンだったので、当時、何とも言えない気持ちになった。
悲しさや寂しさもあったが、それ以上に「本当にお疲れ様、素晴らしい音楽をありがとう!」と本気で思った。
当然、ディオ関連のCDはすべて持っていて、今でも聴き続けている。
「エルフ」「レインボー」「ブラック・サバス」「DIO」「ヘヴン・アンド・ヘル」など・・・
いずれディオを中心にした話をブログで紹介したいと思っている。
話はサバスにもどるが、実は初期のサバスは、日本ではアルバムがさほど売れなかった。しかし、アメリカでは日本人の想像を絶する人気があった(当然現在も)。
HR/HMの歴史上最も重要なアーティストを決める投票でレッド・ツェッペリンに次いで2位に入ったこともあるほどである。
「必聴版・曲 紹介」
※注意(【必聴曲】は、必ずしも【必聴版】に収録されている訳ではない。)
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◆第1期:オジー・オズボーン時代(1970~1979・1997・2013)
[特徴]暗く重いリフに、オジーのヒステリックなボーカルが絡む・・・最もホラーな時代。
【必聴版】
「黒い安息日:Black Sabbath」
「マスター・オブ・リアリティ:Master of Reality」
「血まみれの安息日:Sabbath Bloody Sabbath」
【必聴曲】
「黒い安息日 "Black Sabbath"」
「パラノイド "Paranoid"」
「血まみれの安息日 "Sabbath Bloody Sabbath"」
「ナショナル・アクロバット "A National Acrobat"」
「スウィート・リーフ "Sweet Leaf"」
「イントゥ・ザ・ヴォイド "Into the Void"」
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◆第2期:ロニー・ジェイムズ・ディオ時代(1979~1987・1992~1993・2006)[特徴]第1期のへヴィネスを基に、ディオのメロディアスなパワーシャウトが心地よい。どこかポップさもあり、第1期より幅広い層にも聴きやすい。
【必聴版】
「ヘヴン&ヘル:Heaven and Hell」
「ディヒュー・マナイザー:Dehumanizer」
【必聴曲】
「ネオンの騎士 "Neon Knights"」
「ダイ・ヤング "Die Young"」
「ターン・アップ・ザ・ナイト "Turn Up the Night"」
「悪魔の掟 "The Mob Rules"」
「電脳の神 "Computer God"」
「アフター・オール "After All (The Dead)"」
「TVクライム"TV Crimes"」
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◆第3期:イアン・ギラン時代(1987)
[特徴]ギランのボーカルはサバスには合わず、最悪の時代との酷評もある。しかし、逆にくせになる珍味的な味わいがあり、一部根強い熱狂的ファンも存在する。いい意味で音楽が雑、その荒々しさが良い。
【必聴版】
「悪魔の落とし子:Born Again」
【必聴曲】
「トラッシュド "Trashed"」
「デジタル・ビッチ "Digital Bitch"」
「ホット・ライン "Hot Line"」
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◆第4期:トニー・マーティン時代(1987~1992・1994~1995)
[特徴]サバス完成形といってよい「クロス・パーパシス Cross Purposes」を発表した時代。第1期と第2期の中間に位置するような音楽性は、サバス入門編としては最適。しかし細かいことをいうなら、トニー・マーティン時代は硬質な「様式美」メタルを強調したコンセプトアルバム「ティール "Tyr"」や、モダンへヴィネスに傾向した「イリュージョン・パワー "The Illusion of Power"」など、それ以外のアルバムも実験的要素が強く、落ち着きがないようにも感じる。しかし個人出来には、色々あって、聴き比べると面白い。
【必聴版】
「クロス・パーパシス Cross Purposes」
「フォービドゥン Forbidden」
【必聴曲】
「シャイニング "The Shining"」
「ヘッドレス・クロス "Headless Cross"」
「アイ・ウィットネス "I Witness"」
「クロス・オブ・ソーンズ "Cross of Thorns"」
「イリュージョン・パワー "The Illusion of Power"」
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以上、個人的に好きなアルバムと曲を入門編として選んでみた。
一般的評価の高いアルバムや曲ばかりを選んだ訳はではなく、個人的な趣味ではあるが、本当に聴きやすいものを選んだので、興味があったら是非(あえて言うなら、サバスの熱狂的信者は盲目になりやすく、その偏見を持って良し悪しを決めている様に思う。私が選んだ曲は、そういった見方ではないと自負している。本当に「良い」と感じた曲をピックアップしてみた)。
以上、「ブラック・サバス(Black Sabbath)編」【完】
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