最近読んだ本・リレキショ(中村航)

 主人公は「姉に拾われて」二人暮らしをしている男性。主人公は姉に「半沢良」と名付けられた。本当の名前はわからない。その主人公が、アルバイトをすることに。求人情報誌にガソリンスタンドの夜勤帯募集が載っていて、早速履歴書を書く主人公。姉に「なんて書けばいいの?」と尋ねると「正直に、適当に。でも、嘘はダメ」といわれ、過去の構築をはじめる。履歴書が完成し、応募するとすんなり採用。初日から先輩とも仲良くなり、仕事も徐々に覚えていく。主人公は日々の生活の中で自分自身の本当の「リレキショ」を作り上げてゆく。そんな折、フルフェイスのヘルメットをかぶったスクーターが来店。給油・清算が終わると、その女性は去り際に白い封筒を主人公に手渡す。家に帰って読んでみると・・・。

 主人公は至って真面目に日々を送ってゆく。姉の親友ともお酒をかるく飲み交わし、人生論などを語らいあう。姉とも仲良く共同生活を送り、職場の先輩とも仲が良い。しかし、封筒を持ってきた女性によって、主人公のライフスタイルにちょっとした変化が起こる。自分の日課が増え、人と人との交流の深さを知る。

 この本を読んで、人との交流とはなんと楽しいのだろう、と、久々に思った。自分にはこんな風に飲み交わしたり、語らいあったりする仲間がいない。多分、今後もそんな存在は生じないだろう。好きでないからだ。でも、こんな風にしゃべれたら、人生がくるっと変わってしまうかもしれない。その変化は、あったらあったでとても良い出来事なのだろう。

 自分には「人とコミュニケーションを図る」というスキルが欠乏している。それは過去のこともあって、もう作り上げることが出来かねる事項だ。でもいつか、誰かと笑い合って生活できたらいいな、と、この本を読んで思えた。読んでよかった。

 

 この作品も、小松図書館で借りた本です。行く機会があれば、ぜひ。

 

ゆうき

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