《「地方の民話」を劇にするということ》

《「地方の民話」を劇にするということ》

 

 高校時代からの友人の「つて」があって、野々市の市民劇団に参加することになった。とは言っても芸達者ではないので演者としてではなくて脚本家としての参加だ。

 根上に居住する人間がわざわざ野々市の劇団に所属するのもどうか?とは思うものの、今から約20年前、新婚当時に住んでいたのが野々市の粟田であったので、まるきり縁が無いというわけでもない。

 今年の8月3日、野々市市民劇場フォルテのロビーにて野々市の民話「狐の恩返し」という寸劇を発表した。そのシナリオを僕が書かせていただいた。おかげさまで大盛況。舞台となった稲荷町のお客様からは「勉強になったわぁ」とお褒めの言葉をいただいた。その甲斐あって(?)稲荷町の秋祭りにこの劇を再演する運びとなった。

 意外と昔から住んでいる人も地元の民話について、「知らない」という人が多いことに今回は気が付いた。多分それは野々市市民だけのことではないと思う。

能登半島珠洲市に恋路海岸があるけれど、この名前の由来について語れる人はどのくらいいるだろう?僕もネットで調べてみて悲恋の実話が元だったことを知ったくらいだ。

  そんな状況を憂い紙芝居にして介護施設などを訪問して上演されている吉岡幸三さん(野々市市・本町在住)。この方の作った紙芝居がweb上で見られる。

http://tiikijiten.jp/~digibook/minwa_kami/

今回の寸劇の上演でも紙芝居を借用させていただいたし、吉岡さんは練習にも来られて、小道具まで作ってくださった。

 郷土の民話や伝説をとても大切にしておられて、何よりそれを見ていただく人たちに楽しんでいただこうとする姿勢にとても感動した。

 

これからいくつかの野々市の民話を舞台化する予定だけれど、そのほかの地域の民話・伝承なども勉強して台本が書けたら・・・と思っている。

文字離れ、老人たちとの交流の減少など語り継がれてゆく環境はどんどん減ってきている。それを紙芝居や演劇というヴィジュアルな形にしたものを見てくれた方々が、その子供たちに地元の物語を語り継いでくれたなら、こんな幸せなことはない。

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コメント: 2
  • #1

    (金曜日, 06 9月 2013 15:28)

    詩だけでなく、脚本も書かれるんですねえ。
    尊敬!
    劇も見たいし、脚本も読んでみたいです。

  • #2

    hana (水曜日, 11 9月 2013 12:04)

    ヴィジュアル大切だと思います^^
    昨日の夜、チビの机の上に「なめこ文學全集」なる本を発見し、ぱらぱら見てみると、宮沢健二の「注文の多い料理店」などの話しを、文章は原文のままお馴染みのなめこが、演じている漫画のようなものでした。

    漫画じゃなくても、劇場の暗がりや、紙芝居の語り口調がちょっと怖いチビベビ世代もすんなり入っていけそうな、そんな劇ができたら…家族で行けるのに。と思いました^^

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